いじめに対する問題提起「わたしのせいじゃない」で「責任」について考えました!
人権週間の一環で行った道徳の授業、「わたしのせいじゃない」。
「誰もが幸せになれる権利」を考える上で、子どもたちにも大きな気づきがあったようです。
- 作者: レイフクリスチャンソン,ディックステンベリ,二文字理明
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 1996/01/10
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (61件) を見る
授業の記録を残しておきます。
考えて欲しいことの確認と、読み聞かせ
「責任」について考えていくことと、本のあらすじを紹介しました。
この本は大型判も出ているのですが、小さいサイズの本を借りることができたので、ipadで50インチテレビに移しながらの読み聞かせをしました。
この本読むたびに考えさせられます。
いじめを受けていた男の子について、たくさんの子がひとりずつ証言をしていく展開です。誰しも「他のみんな」や「男の子」のせいにして、自分に責任がないように振る舞っています。後半では、「わたしのせいじゃない?」ともう一度問いかけた後、戦争や原爆やその他いろいろな写真が数枚見える形になっています。
後半の戦争の写真等はこのときは、見せませんでした。
本当にわたしのせいじゃない?もしそうだとしたらだれのせい?
今日のペアと話してから意見を言ってもらいました。
- たとえ始めたのが自分でなくてもたたいてしまったら、同じように行けないことだと思う。
- 相手がいくら変わっていても差別するのはよくない。
- 何もしなかった子も、声は変えられた、誰かを呼ぶなどしなくてはいけないんじゃないか?
同じような経験ってある?
「たたいたり、いじめたりしないまでも、同じような経験ってある?」
これもペアを変えて3,4分対話しました。その後、共有。
- LINE上でのトラブル、怖くて何も言えなかったし、返事を打てなかった。
- スポーツの場面で連帯責任になるから、自分もミスした友達を責めてしまった。他の子もやっているからいいと思って…。
- 表と裏で態度が変わる友達がいて、そういうのは嫌。
- 他の学年の子なんだけど、登下校中に避けられていて、わたしも避けてしまった。でも次からは違う行動を取りたい。
- 「○○って〜だよね?」と同意を求められて、わたしも言われるのが怖いから、「うん」って言ってしまっている。でもそれってなんか不自然。わたしも加担しちゃっている。次からは「そう?」って問い返したい。
今日学んだことは?
「誰しもが、ひとりの方に回ることもあるし、大勢の方に回ることもある。もし大勢の方に回りそうになったときに、責任についてどう考えればいいだろうか?」
ここの発問をしくじったと思います。
価値が深まるような発問にしたかったのですが…
「大勢でやったときは、一人ひとりの責任って小さくなるの?」あたりが良かったかな?
今度は少し人数を増やして3,4人で対話した後、全体で意見交換しました。
その後、僕の問いかけもありながら授業が進みました。
- 自分が言ったことややったことはもう消えない。だから自分の行動一つ一つに責任を持たなくちゃいけない。
- そのときの立場はある、でも自分で選べるのは自分の行動だけ。
- 目の前にその人がいなかったとしたら、なんか責任が小さくなる気がするけど、決してそうじゃない。一人ひとりの責任はそのまま。
- 大勢の場合もそう、自分たちでしてしまったことの責任は変わらない。
最後のあたりでより多くの子にすとんと落ちた気がします。
振り返りジャーナルでふりかえり
ここでも様々な意見や、エピソードが出てきました。クラスを見ている限りは、こういういじめ等はなかったのですが、自分ひとりに責任があること、決して大勢でいても小さくならない責任の重さについて触れている子が多かったです。
ジャーナルの行数は、そのときの体験の大きさによって分かれます。今日はたった5分間でしたが、どの子もページぎっしり書いていました。
まとめ
人権週間の中で、道徳の授業を行いました。
— ao-sen (@aosenn) December 6, 2017
題材にした本は「わたしのせいじゃない」
この本で授業をしたのは2回目ですが、「せきにん」について様々な意見が出てきて、価値がぐぐっと深まったことが印象的。
やって良かったなぁ。
ジャーナルの内容から見ても、取り組んで良かったと思います。「たくさんの友達と話せて良かった」という意見も多数。先生と一対一の「道徳スタイル」は絶対やめるべきだと思います。僕は対話中心。グループサイズも場も変えながら授業をします。
高学年の道徳で、ぜひ取り組んでみてください。僕は道徳教材でもやりますが、絵本でもよく授業をします。
- 作者: マックス・ルケード,セルジオ・マルティネス,ホーバード・豊子
- 出版社/メーカー: いのちのことば社
- 発売日: 1998/10/05
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
このあたりは道徳にオススメです!