今年一番の一冊「里山資本主義」で日本の未来を考える!前編。
なんと素晴らしい一冊だろう。仲間のトミーに勧められていたけど、読み始めたのは夏休み明け。もっと早く出会っていれば…そういう気持ちにさせてくれる一冊です。
次の時代の資本主義について考えるのは、家入さんの本と共通する主張があった。
先進的な真庭市の取り組み
真庭と言えば、僕の妻の父が、校長先生を務めた場所。岡山県の北部にある都市だ。その真庭で、周囲の常識を覆すような先進的な取り組みが行われていたのだ!
ぼくもここに一度行ったことがあるが、自然が今も強く残る素敵なところだった。そのときは「田舎」というイメージしか無かったが、その頃からこういう取り組みが始まっていたことに驚かされた。
製材工場から出る木くずは先に述べたように年間四万トン。実は、発電だけでは使い切れない。そこで思いついた使い道が、また革命的だった。かんなくずを直径六または八ミリ、長さ二センチほどの円筒状にぎゅっと固めて、燃料として販売することにしたのである。#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
木質ペレット、もしくは単にペレットと呼ばれる。 使うには専用のボイラーやストーブが必要になるが、灯油と同じようにペレットを燃料タンクに放り込めばいいという、手軽さだ。 #里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
僕の友人が使っていたエコストーブ。何がエコかというと、そういうことか…
しかも、コストパフォーマンスがすこぶる良い。灯油とほぼ同じコストで、ほぼ同じ熱量を得ることができるそうだ。石油を中心に据えてきた、二〇世紀のエネルギーに取って代わる可能性を秘めた、二一世紀の燃料なのである。#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
見た目は至ってシンプル。灯油を入れる高さ五〇センチほどの二〇リットルのペール缶の側面に、小さなL字形のステンレス製の煙突がつけられている。 「エコストーブ」という。
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
このエコストーブ、名前は「ストーブ」だが単なる暖房ではなく、煮炊きなどの調理に使えば抜群の力を発揮する。木の枝が四~五本もあれば、夫婦二人一日分のご飯が二〇分で炊けるのだ。#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
もちろん電気炊飯器の方が便利ではやい。しかし、あえてひと手間かけることが本当の暮らしの豊かさをもたらすことを、和田さんは伝えようとしている。 #里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
こんな素晴らしい実践が地方から始まっている。「地方は宝だ」という、インターネットがもたらす恵みやつながりは、急速にに都市と地方を結ぶようになった。そうなってくると、地方の良さを生かせる機会が増えてくる…
そういう図式を僕は描いていたが、そうではないらしい。インターネットが無くても地域で完結する小さな経済圏を作り上げる…そんな取り組みが進んで行われている。
多様性の価値
後半の周防大島のジャムでも出てくるんだが、「いつでも同じ」がいいとされてきた時代から、「毎回違う」でもいいんじゃないかという価値観が広まりつつあると思う。
「毎回できが違うかもしれないと思って気を遣うこと、いろんな木をくべることも含め、不便だといわれるかもしれません。でも、それが楽しいんですね。結果、おいしいご飯。これが三倍がけ美味しいんです。こういうものを使うことによって、笑顔があふれる省エネができるんではないか」 #里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
「工業生産の時代は、自動車にしても何にしても、全国、世界、同じものが出回るとともに、そうした画一的なものがどれくらいあるかによって、進んでいる、遅れているという評価がなされた。#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
進む・遅れるという時間軸でなんでも物事を見る時代であった。しかし、成熟の時代となり、地域ごとの豊かさや多様性に段々人々の関心が向かっているのではないか」 #里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
いつでも同じ、みんな同じは気持ち悪い。どの場面でも多様性を大切にする世の中へとシフトしているではないか。
3校時は国語だけど、半数は総合にシフトしている。
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
全員で同じことをしている時間は減ってきていて、総合と国語、図工、社会あたりがつながりながら、教科書もいろいろと混じりながら学習をしている感じ。
それが自然とできている。
感覚として2時間目の社会の方がつらい感じ。全員で同じことをしていることの方が、最近ではつらい。子どもたちもちょっと詰まっている感じ。
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
まぁやらなくちゃいけないときはあるし、それにも慣れていかないといけないけど。。。
オーストリアは国で!
僕の妻の故郷、岡山県の県北にある真庭市、同じ取り組みはオーストリアがモデル。「森を持つなら、手入れをしっかり行わなければならない。手入れされることによって、森は健康であり続ける。それによって、これからもずっと守られるんだ。これがオーストリアの林業の哲学なんだ」#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
実は新婚旅行で行ったオーストリアでも同じ取り組みが行われているとのこと。しかも都市ではなく、国を挙げてだ。。。。僕らは本当にこれでいいのだろうか、多くを消費するような成長社会の価値観は古くなってきており、成熟社会へと進んでいる。
では、その成熟社会では、学校では何をすべきなんだろうか。
「里山資本主義」の考え方
里山資本主義は、経済的な意味合いでも、「地域」が復権しようとする時代の象徴と言ってもいい。大都市につながれ、吸い取られる対象としての「地域」と決別し、地域内で完結できるものは完結させようという運動が、里山資本主義なのである。#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
「里山資本主義」とは、お金の循環がすべてを決するという前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え方だ。#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
「お金で買えるものは買えばいい、だがお金で買えんものも大事だ」と。前章のオーストリアの例のように、森や人間関係といったお金で買えない資産に、最新のテクノロジーを加えて活用することで、マネーだけが頼りの暮らしよりも、はるかに安心で安全で底堅い未来が出現するのだ。#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) November 20, 2017
遙かに安心で安全で底堅い未来…お金を軸としない未来…僕はそこを見てみたいし、そこに携わってみたいと強く思うようになった。
人との絆、自然とのつながり
そうであれば、持つべきものはお金ではなく、第一に人との絆だ。人としてのかけがえのなさを本当に認めてくれるのは、あなたからお金を受け取った人ではなく、あなたと心でつながった人だけだからだ。#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) 2017年11月20日
持つべきものの第二は、自然とのつながりだ。失ったつながりを取り戻すことだ。自分の身の回りに自分を生かしてくれるだけの自然の恵みがあるという実感を持つことで、お金しか頼るもののなかった人びとの不安はいつのまにかぐっと軽くなっている。 #里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) 2017年11月20日
素敵な言葉
— ao-sen (@aosenn) 2017年11月20日
「例えば五月頃には、うるさくて寝られないカエルの大合唱とか、ウグイスのつがいが五、六組もいるような谷とか、桃源郷はこういうところかなと思います。しかし、これまでは、こういう田舎が犠牲になってきた。
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それは、いくら稼いでいるかという金銭的な尺度だけで物事が計られてきたからではないでしょうか。そんな田舎の犠牲の上に、都会の繁栄がもたらされている一方的な構図のままでは、日本は長続きしないのではないか。いつか、底が抜けてしまうのではないかと思います」#里山資本主義
— ao-sen (@aosenn) 2017年11月20日
自然の恵みは自分たちを生かしてくれる。アウトドアがこれだけ流行ったのも、やはり今の自分たちでは得られない何かを自然に求めているのではないだろうか。週末だけその恵みを得るのではなく、自分たちが暮らしていける永続的な恵みの享受を。
後編へ続く。