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【書評】やり抜く力GRITを読んでみたよー前編ー

 おはようございます。こんな本を読みました。

 あまりにkindleのハイライト箇所が膨大になったため、前編と後編に分けてご紹介します。

 なかなか骨がある一冊でした!

 

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

  

 アメリカの士官候補生、5人に一人は中退してしまうのだそう。その中退者の大半は入学直後の基礎訓練に耐えきれないためだという。その訓練をビーストという。

 

  • シューズが驚いたのは、困難に対処する力は才能とはほとんど関係ないということだった。訓練の途中で辞めていった者たちは、才能がなくて辞めたわけではない。それよりも重要なのは、マシューズの言葉を借りれば、「絶対にあきらめない」という態度だった。
  • 要するに、どんな分野であれ、大きな成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、それがふたつの形となって表れていた。第一に、このような模範となる人たちは、並外れて粘り強く、努力家だった。第二に、自分がなにを求めているのかをよく理解していた。決意だけでなく、方向性も定まっていたということだ
  • このように、みごとに結果を出した人たちの特徴は、「情熱」と「粘り強さ」をあわせ持っていることだった。つまり、「グリット」(やり抜く力)が強かったのだ。

 

 GRITについての説明が出てきた後はこのような文章が続きます。

 

  • では実際、偉業はどのように達成されるのだろうか? ニーチェが到達した結論もチャンブリスと同じだった。偉業を達成する人びとは、「一つのことをひたすら考え続け、ありとあらゆるものを活用し、自分の内面に観察の目を向けるだけでなく、ほかの人びとの精神生活も熱心に観察し、いたるところに見習うべき人物を見つけては奮起し、あくなき探究心をもってありとあらゆる手段を利用する」。 では、才能についてはどうか? ニーチェは偉業を達成した人びとのことを、なによりも「職人」と考えるべきだと訴えている。 「天分だの、天賦の才だのと言って片付けないでほしい! 才能に恵まれていない人びとも、偉大な達人になるのだから。達人たちは努力によって偉業を成し遂げ、(世間の言う)〝天才〟になったのだ。……彼らはみな、腕の立つ熟練工のごとき真剣さで、まずは一つひとつの部品を正確に組み立てる技術を身につける。そのうえでようやく思い切って、最後には壮大なものを創りあげる。それ以前の段階にじっくりと時間をかけるのは、輝かしい完成の瞬間よりも、むしろ細部をおろそかにせず丁寧な仕事をすることに喜びを覚えるからだ」

 僕が好きな番組、「情熱大陸」や「プロフェッショナル仕事の流儀」とかで見てきた人もそうだった。1つのことを考え続け、精神面の成長を図りながら、飽くなき探究心を持ってありとあらゆる手段を利用する。

 教師にとってそれはどのような状態なのだろうか?

 授業と振り返りの積み重ね。フィードバックをどうえるか、得たものをどう生かすか、子どもに返すか。授業研なんてやらなくても同じようにフィードバックをもらうためにはどうすれば良いか、子どもたちからフィードバックを得て、前に進むためにやれることは何か。

 または子どもを知ること。あらゆる面から好奇心を持って子ども自身を理解すること。日々の振り返りや児童理解の中に丁寧に子どもに接していくことによって積み重なる情報を分析して、子ども自身に返していくこと。。。

 

 細部を大切にしていきたい。

 

  • 「ものすごくがんばるだけでは、やり抜く力があるとは言えないの。それだけでは不十分だから」 学生は一瞬、黙り込んだ。 「どうしてですか?」 「そうね、ひとつには、一流になるための近道はないから。専門知識をしっかりと身につけるのも、難しい問題の解決法を見つけるのも、ほとんどの人が思っている以上に、ものすごく時間がかかることなの。そして優れたスキルを身につけたら、それを生かして人びとの役に立つ製品やサービスを生み出さなければならない。ローマは一日にして成らず、よ」 学生が黙って耳を傾けていたので、私は話を続けた。 「そして、これがいちばん重要なこと。やり抜く力は、自分にとってかけがえのないことに取り組んでこそ発揮されるの。だからこそ、ひたむきにがんばれるのよ」
  • 「そう、自分が本当に好きなことに打ち込むの。でも、好きになるだけじゃだめなのよ。愛し続けないとね」

 

 途中でてくる「グリットスケール」。この解答で得られるグリットの値を数値化したものが「グリットスコア」

 

  • このように自分に対して「なぜ」を問いかけると、つねに「〜するため」という答えが見つかる。やがてピラミッドの頂点、すなわち最上位の目標にたどり着くだろう。最上位の目標は、ほかの目的の「手段」ではなく、それじたいが最終的な「目的」なのだ。 心理学では、これを「究極的関心」と言う。私はこの最上位目標を、その下に続くすべての目標に方向性と意義を与える「コンパス」だと考えている。
  • やり抜く力」というのは、ひとつの重要な目標に向かって、長年の努力を続けることだ。さらに、ピート・キャロル風に言えば「人生哲学」と呼ぶべきその目標ほど、興味深く重要なことはほかにないため、生活時間の大半の活動は、その目標達成に向けて行われる。
  • 「やり抜く力」が非常に強い人の場合、中位と下位の目標のほとんどは、何らかの形で最上位の目標と関連している。それとは逆に、各目標がバラバラで関連性が低い場合は、「やり抜く力」が弱いと言える。
  • だが私が思うに、それよりもっと多いのは、中位の目標が乱立するばかりで、それをひとつに束ねる最上位の目標が存在しないケースだ(次の図)。 さらに、ピラミッド形の目標がいくつも対立し、関連性がないケースもある(次の図)。

 

 この辺りは今読んでいる「好奇心のパワー」と重なるところがある。「価値観」や、「信念」自分自身の真ん中がどんなことか…もっと深く掘っていきたいと思う。

 

 次は偉大な投資家、パフェットとのやりとり

 

  • 1.仕事の目標を25個、紙に書き出す。 2.自分にとってなにが重要かをよく考え、もっとも重要な5つの目標にマルをつける(5個を超えてはならない)。 3.マルをつけなかった20個の目標を目に焼きつける。そしてそれらの目標には、今後は絶対に関わらないようにする。なぜなら、気が散るからだ。よけいなことに時間とエネルギーを取られてしまい、もっとも重要な目標に集中できなくなってしまう。
  • そこで実際に、自分のいまの目標(あるいは携わっているプロジェクト)を罫線入りのメモ用紙に書き出してみた。長々と続くリストは、気がつけば32行にもなっていた。それで納得したのだ。なるほど、これは役に立つかもしれない。 興味深いことに、次々と頭に浮かんだ目標の大半は、重要度が中位の目標だった。どうやら私たちは、ひとつではなく複数の目標を書こうとすると、中位の目標を書いてしまうらしい。
  • つぎに、優先順位を決めるために、縦線を引いて2列増やし、新しくつくった各列の一番上に見出しとして「面白さ」「重要度」と記入した。そして各プロジェクトの「面白さ」と「重要性」について、それぞれ1から10のスコアをつけていった(1が最低、10が最高)。 それから、各プロジェクトの横に並んだ「面白さのスコア」と「重要度のスコア」を掛け合わせて、点数を出した(最低1〜最高100点)。その結果、「面白さのスコア×重要度のスコア」が100点に達した目標はひとつもなかったが、1点だったものもなかった。 それから、バフェットの示した手順どおりに、もっとも面白く重要な目標にマルをつけて5つに絞り込み、そのほかは思い切って「今後は絶対に関わらない」リストに入れようとした。でも、できなかった。なぜかどうしてもできなかった。
  • 翌日くらいまで、いったいどちらが正しいのだろう(私か、それともバフェットか)と考えてしまい、釈然としなかったのだが、やがてふとあることに気づいた。私の目標の大半は、相互に関連性があったのだ。つまりほとんどは、目的を達成するための「手段」であり、「子どもたちの『目標達成力』と『しなやかな強さ』を育む」という、最終的な目標の実現を目指すためのもの
  • 成功するには「やるべきこと」を絞り込むとともに、「やらないこと」を決める必要がある。なるほど、そのとおりだ。「やらないこと」をもっとしっかりと決めなければ。 だが、もうひとつ付け加えておきたいのは、ふつうに優先順位を決めるだけではうまく行かない場合もあるということだ。仕事に関して、まったくちがう最重要の目標がいくつも存在すると、それぞれにしっかり対応するのは至難のわざであり、相乗効果が生まれるどころか、時間もエネルギーも分散され、消耗してしまう。だからこそ、たったひとつの「コンパス」が必要なのだ。いくつもあっても困るだけだから。
  • というわけで私は、バフェット流「優先順位を決めるための3段階方式」に、もう1段階追加したい。 4.「これらの目標は、共通の目的にどれくらい貢献するか」と考える。 目標が同じピラミッドにうまく収まっていればいるほど(各目標がひとつの「究極的関心」に資することになるので)、あなたの「情熱」は揺るぎないものになる。

 自分の中心にどうつながっているか、そしてやらなくていいことを徹底的に排除する削る発想だ。

 

  • 因果応報のほうがお説教よりも、はるかに効果があるというわけだ。 「成熟の原則」というのは、つまるところ、それに尽きるのではないかと思う。私たちは人生の教訓を肝に銘じ、慣れない状況のなかでがんばっていくうちに、やがて新しい考え方や行動が身について習慣となる。そしていつのまにか、以前の未熟な自分の姿など思い出せないようになる。新しい状況に適応し、その状態がすっかり定着することで、自分のアイデンティティ(自分をどのような人間だと思っているか)が向上する。つまり、「成熟」するのだ。
  • このような考え方は、道徳的に悪いわけでも何でもない。「やり抜く力」の鉄人たちも、目標をあきらめることはある。ただし、重要度の高い目標ならば、歯を食いしばってでも、最後までやり遂げようとする。 いちばん重要なことは、「やり抜く力」の鉄人たちは「コンパス」を替えないことだ。彼らにはたったひとつの究極の目標があり、ほぼすべての行動がその目標達成に向けられている。だから究極の目標に関しては、そんな投げやりな言葉は口にしない。

 

やり抜く力の鉄人たちには共通する4つの特徴が見えてくる。

 

  • 1.〈興味〉自分のやっていることを心から楽しんでこそ「情熱」が生まれる。私がインタビューをした人びとはいずれも、自分の仕事のなかで、あまり楽しいとは思えない部分をはっきりと認識しており、多くの人はちっとも楽しいと思えないことも、少なからず我慢していた。とはいえ全体的には、目標に向かって努力することに喜びや意義を感じていた。だからこそ彼らは、尽きせぬ興味と子どものような好奇心をもって「この仕事が大好きだ」と言う。
  • 2.〈練習〉「粘り強さ」のひとつの表れは、「きのうよりも上手になるように」と、日々の努力を怠らないことだ。だからこそ、ひとつの分野に深く興味を持ったら、わき目もふらずに打ち込んで、自分のスキルを上回る目標を設定してはそれをクリアする「練習」に励む必要がある。自分の弱点をはっきりと認識し、それを克服するための努力を日々繰り返し、何年も続けなければならない。 また、「やり抜く力」が強いということは、慢心しないことでもある。分野を問わず、どれほど道を究めていても、「やり抜く力」の鉄人たちは、まるで決まり文句のように「なにが何でも、もっとうまくなりたい!」と口にする。
  • 3.〈目的〉自分の仕事は重要だと確信してこそ、「情熱」が実を結ぶ。目的意識を感じないものに、興味を一生持ち続けるのは難しい。だからこそ、自分の仕事は個人的に面白いだけでなく、ほかの人びとのためにも役立つと思えることが絶対に必要だ。 なかには早くから目的意識に目覚める人もいるが、多くの場合は、ひとつのことに興味を持ち続け、何年も鍛錬を重ねたのちに、「人の役に立ちたい」という意識が強くなるようだ。「やり抜く力」の鉄人のなかでも、成熟をきわめた人たちは、みな口を揃えて同じことを言った。「私の仕事は重要です。個人的にも、世の中にとっても」
  • 4.〈希望〉希望は困難に立ち向かうための「粘り強さ」だ。本書では、興味、練習、目的のあとに希望を採り上げるが、希望は「やり抜く力」の最終段階だけでなく、あらゆる段階に欠かせない。最初の一歩を踏み出すときからやり遂げるときまで、ときには困難にぶつかり、不安になっても、ひたすら自分の道を歩み続ける姿勢は、はかり知れないほど重要だ。

 

 また著者は「これだ」と情熱を注げるものを見つけるには何年もかかると言っている。興味は外の世界との交流から生まれる。だから、ぼんやりとした自分の楽しいこと、打ち込めることの方向性が見えてきたら試すことの重要性をあげている。試していくこと。なんでも「考えるよりやってみること」の方が前進する場合が多いとおもう。

 

 一つに絞ったらエキスパートたちのすることは?

  • 1.ある一点に的を絞って、ストレッチ目標〔高めの目標〕を設定する。 このときエキスパートたちは、すでに得意なところをさらに伸ばすのではなく、具体的な弱点の克服に努める。あえて自分がまだ達成していない困難な目標を選ぶのだ。
  • 2.しっかりと集中して、努力を惜しまずに、ストレッチ目標の達成を目指す。 面白いことに、多くのエキスパートはひとの見ていないところで努力する。
  • 音楽家の場合も同様に、グループやほかの音楽家と練習するよりも、ひとりで練習する時間が多い人ほど、スキルの上達が早いことがわかっている。 さらにエキスパートたちは、自分のパフォーマンスが終わるとすぐ、熱心にフィードバックを求める。この段階では、どうしても否定的なフィードバックが多くなる。つまりエキスパートたちは、うまくできた部分よりも、うまくできなかった部分を知って克服したいのだ。すみやかにフィードバックを求めること、そして否定的なフィードバックにしっかりと対処することは、どちらもきわめて重要だ。
  • 3.改善すべき点がわかったあとは、うまくできるまで何度でも繰り返し練習する。 ストレッチ目標を完全にクリアできるまで──以前はできなかったことが、すんなりと完璧にできるようになるまで。できないと思っていたことが、考えなくてもできるようになるまで。では……そのあとは? ストレッチ目標を達成したあとは、どうするのだろう? エキスパートたちは新たなストレッチ目標を設定し、弱点の克服に努める。小さな弱点の克服をこつこつと積み重ねていくことが、驚異的な熟練の境地に至る道なのだ。

 


 フィードバックという言葉が非常に鍵になる。僕も常に即時フィードバックをもらいたい。こっちでも学び中。