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【書評】「振り返りジャーナル」で子どもとつながるクラス運営

 

「振り返りジャーナル」で子どもとつながるクラス運営 (ナツメ社教育書ブックス)

「振り返りジャーナル」で子どもとつながるクラス運営 (ナツメ社教育書ブックス)

 

  素晴らしい一冊でした。ゴリさんとちょんさんの手法だけではなく、考えが色々な部分に触れることができて、幸せな子どもたちのイメージが見えました。

 

 もう10年近く継続して取り組んでいる振り返りジャーナル。

 

 

 

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 でも、この本に書いてあるような失敗例、「あったあった!」と当てはまるなぁと苦笑いする場面がたくさんありました。そのときは冷や汗もんでしたが、今は落ち着いて振り返ることができます。そんなふうに自分の取り組みを客観視できるのもこの一冊のおかげです。

 

 なるほど!と唸った部分を紹介していきます。

 

  • 人は振り返りで成長する
    • シーンとした集中した空気を作る
    • 自分との対話を進める
    • 文章化された今日の自分、あの日の自分を俯瞰するから次に活かせることが整理されます。
  • 成長のサイクルを
    • 今日のテーマを設定…テーマがわかると、子どもたちは見通しを持てる
    • 宛先は担任の先生…よき読者はモチベーションになる
    • メタ認知が育つ…トラブルの当事者になると、感情に流されてしまいがち。でも落ち着いてから一歩引いて、自分で振り返る体験を積み重ねます。メタ認知を鍛える。
  • 担任の先生の安心感
    • 無条件のOKを感じると子どもたちは安心して力を発揮できるようになる。
    • 逆に担任の先生がわかってくれないと、過剰に反応する。

 

 「何のための振り返りジャーナルだっけ」とよく自分に問いかけるのですが、成長のサイクルである「振り返り」を促すものであり、先生からすると子どものことがわかるアンテナの役割をしています。

 僕は毎朝、宿題提出の際のハイタッチと、帰りの会の後のジャーナルを出してのハイタッチで、今年度子どもとのつながりを創ってきました。この2つで1日に必ず全員に2回関わるっていうこと、僕は何よりも大切だと考えています。

 

  • 1日1ページはルール。書けていないのも大切な情報だし、時折たくさんの量を書く日もある。どんなところだと書けるのかなぁ、振り返れているのか、そこから教師が考えるタネになる。

 これは僕は目から鱗でした。ノートを無駄にしないようにそのまま書かせていました。でも1日1ページにすることで、書けるようになったことがわかること、書いてある量が子どもにも先生にもわかること、書いてありとても大切だなぁと思います。

 

  • 一番まずいのが不定期実施。書く日と書かない日があるというのが一番まずく、書くとなると「えー」の声が!
  • 実施が難しいクラブの日などは工夫しよう。
  • 忙しいから3分で書いてもダメ、適当に書いてOKという体験は、活動を形式的なものにする危険性がある。
  • 宿題にもしない。

 耳が痛い。あー痛い。あるあるです。振り返って次に生かそう(笑)

 

  • 1ページで1箇所か2箇所が基本。あいづちのように書く。
  • 問題をフィードバックで解決しない。軽く書いて直接のコミュニケーションで寄り添う。
  • 評価をよくするフィードバックも×。はなまるを避けよう。
  • 深刻になりすぎない暖かいコミュニケーション。子供の指摘に笑って答えられるくらい。

 

 このフィードバックのコツも大変勉強になりました。

  • 書けない子へのアプローチ。
  • 失敗体験から学ぶこと。
  • グッドモデルの掲示。
  • 学年での取り組み。
  • 問いのガイドを使う。

 

 上のようなことも書かれており、そこからは色々なアイディアをもらい、ワクワクしてきます。学校の日々のことがジャーナルでつながっていく。毎日の積み重ね、続けていこうと思います。

 

 何よりも学んだこと、それは「テーマ設定」です。割と自由に書かせることが多く、最初のプリントさえ配っていけば、まずまず書けるようになったことに満足してしまっていました。形骸化へ一歩間違えば今年も向かっていたのかもしれません。

 

 今年度の子供たちとは、後2週間、それでもこの本を読み始めてから、子どものジャーナルにも変化が出てきました。

 

 年間を通じて、毎日のテーマを設定しながら、こどもたちの振り返りの思考経路を繋いでいくサポートをする。また次年度も同学年で一緒に進めていこうと思います。

 

 僕がこの本を持った時に感じたのは「結構分厚いなぁ!」ということ。内容もしっかりと詰まった素敵な一冊でした。